本校SSHの海外研修プログラムの一環として、1月4日から8日まで台湾で研修を行いました。高校1年生1名、高校2年生5名、高校3年生1名の計7名が参加しました。日本列島とテクトニックセッティング(地質構造的環境)が似ている台湾において、地層や断層の観察を実施し、また英語を用いた現地研修、研究所での講義受講、高校生との交流など、多岐にわたる活動を行いました。
本研修では、以下の3点を目的としました。
- 台湾において地層や断層の観察を行い、簡易ラドン検出器を用いて放射線を測定することにより、地震や日本の地質への興味関心を高め、それらの理解を促進する。
- 野外調査の意義や重要性を認識し、得られた情報や調査結果をもとに論理的に考察する力を養う。
- 英語を用いた現地での研修・研究所での受講・高校生との交流などの活動を通して、科学分野での共同研究を疑似体験することができ、科学分野における英語活用力を強化する。
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本研修で用いたラドン検出器
ラドン検出器の使い方や、台湾の地質や断層についての事前学習を行なった上で、現地研修を行いました。大まかな研修内容は次の表のとおりです。
台湾での研修日程の概要
実施日 | 活動内容 | |
1/4 | 午前 | 成田空港集合・台湾への移動 |
午後 | 台湾科学教育館見学 | |
1/5 | 午前 | 九二一地震教育園區見学 |
午後 | 九份二山国家地震紀念地見学 | |
1/6 | 終日 | 台中女子高級中学訪問 |
1/7 | 午前 | 国立嘉義高級中学訪問 |
午後 | 国立台湾成功大学見学 | |
1/8 | 終日 | 移動・成田空港帰着 |
非常にタイトな日程ではありましたが、生徒たちは熱心に研修に取り組みました。九二一地震教育園や九份二山国家地震紀念地では、実際に震災に見舞われた学校や家屋を見学し、講義や写真だけでは得られないリアルな実感を得ることができました。さらに、九份二山国家地震紀念地の鉱石分析では、鉱石からの放射線をラドン検出器で測定し、そのデータを基に生徒自身がトリウムを多く含む鉱石であることを判断しました。
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現地での実習の様子
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地層を身体で表現した写真
また、台中女子高級中学および国立嘉義高級中学を訪問した際には、事前学習の内容を英語で発表し、現地の生徒と意見を交わしました。この経験は、生徒にとって大きな刺激となったことと思います。さらに、理系トップクラスの大学である国立台湾成功大学では、量子コンピューターに関する模擬授業と霧箱を用いた実験授業を受講しました。
フィールドや研修内容は変更の可能性がありますが、本研修は毎年実施する予定です。来年度以降も多くの生徒に参加してもらい、貴重な経験を積んでほしいと考えています。