先日の5月21日(月)の朝、首都圏では173年ぶりとなる金環日食が起こりました。次に首都圏で見られるのが300年後という稀有な現象であり、学園では前日からの準備を含め、泊まり込みでの「金環日食の観察会」を企画しました。
参加者は科学部天文班の班員が17名、一般生徒が13名の計30名。前日20日の夕方に学園に集合し、地学実験室で事前の学習会と観測の準備を行いました。学習会では、日食や月食の起こる仕組み、皆既日食と金環日食の違いなどについて高1の中村公亮君が、ピンホール効果による観察の原理について同じく高1の川原涼太郎君が、それぞれパワーポイント等を使用して説明。参加者全員が理解を深めました。また、日食グラスの使用上の注意点を確認、最後にピンホール観察用紙を各自が作製してこの日の活動を終えました。
翌21日は5時に起床、空は晴れ間が所々に見えるものの、まだ雲に覆われた部分が多く、観察が成功するかどうか不安な状況でした。6時には中学棟屋上に移動、食が始まる6時20分からしばらくは、太陽は雲に隠された状況で、さらに不安が深まりつつあったそのとき、雲間からすでに少し欠けた姿の太陽が現れ、指導の教員を含めた参加者全員のテンションが一気に高まりました。その後、雲は次第に取れて無くなっていき、7時35分前後の約5分間の金環食の時間帯は、すばらしい姿を観察することができました。この間、各自では日食グラスで観察したり、自作のピンホール観察用紙で投影板に投影して観察、また、赤道儀で自動追尾しながら望遠鏡を用いてCCDカメラで撮影した画像を同時にプロジェクタで拡大投影した太陽像も観察。金環食の終了の瞬間には、太陽のふちと月のふちが接合する瞬間に見られる「ベイリービーズ」も確認でき、実に充実した観測内容となりました。まとめで記入してもらった感想からも、参加した生徒全員が、すばらしい経験ができたことを強く感じてもらえたようでした。