創立30周年の記念日によせて

1月26日、本校は創立30周年を迎えました。
それに関わりまして、校長よりご挨拶申し上げます。

「而立」を迎えて 茗溪学校中学校高等学校校長 柴田淳

shibata茗溪学園は、1979年1月26日学校法人の認可を受け、この日が誕生の日となりました。そして本日、満30歳の誕生日を迎えました。30歳を「而立」と言います。孔子が自分の人生を回顧して自己の成長過程を述懐したとき「三十而立」と言ったことから、しっかりとした自分の立場を築き自立する年齢を表すためによく使われる言葉です。私達は、30年の歩みを振り返り、新たな時代に向けてさらに着実に前進していくために、茗溪学園の柱となっているところ(=不易の部分)を改めて確認し、積極的に変化を求めて、時代のニーズにあるいは子ども達の変化に合わせた教育実践を行っていくことを決意しています。

昨年の出来事から

昨年、本校出身の宇宙飛行士、星出彰彦さん(1981年本校中学入学、第6回卒業生)の 活躍が大きく報じられ、多くの皆様の注目を集めました。星出さんは、小さい頃から持っていた宇宙への憧れを、茗溪での中学・高校生活を経て「夢の実現」に繋いでいきました。茗溪での生活は寮生活も含めて、夢に近づく活動となっていました。宇宙センターが近くにあることも、個人課題研究のテーマを「スペースシャトルについて」として研究しようとしたことも、UWC留学の環境が整っていることも、星出さんの夢に向かう気持ちを後押ししたはずです。
本校は、未来の夢を育み、夢に向かって出発するために必要な力を蓄えることのできる学校であることを示すことができました。
また、本校の教育内容を、「生命尊重の精神を育て、自分で考え行動できる人づくり」とし、それを実現するための教育実践として今も変わることなく行われている

  1. フィールドワーク
  2. 自然の中での活動、スポーツ・芸術活動
  3. 生命の尊さ、人間関係の大切さに気付く活動
  4. 国際教育、多様な国際交流
  5. 職業観を育てる進路指導

の5つの教育プログラムを築きあげた、初代校長の岡本稔先生が他界されたことも、本校30年の歩みを振り返る大きな出来事となりました。「草創」から「守成」に移ってきていることを認識する機会ともなりました。新たな発展には、不易の理念のもと、この理念をさらに高める、あるいは改めて強く認識させるための変化が必要です。教育環境も時代と共に変化するわけですが、その変化を的確にとらえながら、次代のよりよい教育に向けて邁進する決意を新たにしました。

新たな取り組み

新たな取り組みとして、本校の教育の特徴となっているところをさらに高め、そして生徒の活動がより充実するようにします。

まずは、個人課題研究です。これはつい先日(1月22日)、筑波大学の大学会館をお借りして、発表会を行いました。前年までの発表会は、場所や講評をしていただく人的な諸問題から、限られた生徒のみの発表に止まっていました。そこを、筑波大学との連携を得て、できるだけ多くの生徒に発表させ、プレゼンテーションの経験と他人の研究発表を聞いて互いの研究を高めあうことができる場を設定することができるようになりました。今回は、43名の生徒が発表をしました。7つの分野・分科会に分けて、それぞれの会場に座長として筑波大学の先生についていただきました。パワーポイントを駆使した発表は、しっかりとした声で行われ、研究内容についても発表態度についても大学の先生方から高い評価をいただきました。ちなみに、この発表者達は、よい研究だからといって選んだものではなく、発表希望者を募って決められたものです。テーマ決めをしている段階にある高校1年生達も、先輩の発表を聞きながら、研究への興味関心を膨らませていました。次回にはもっと多くの生徒、あるいはすべての生徒に発表の経験をさせたいと考えています。

次に、国際教育、国際交流のさらなる推進を図ります。この内容としては、短期(2~3週間)の交換留学、スポーツや文化交流などを検討しています。すでに交流のあった海外数カ国の学校と交渉を始めましたが、今年中に始められるように進めていく予定です。

30周年記念事業

30周年の記念事業としては、上述の新しい取り組みに弾みをつける活動をしていきます。筑波大学との連携も見込んだ活動も展開していきます。卒業生も6千人になろうとしていますが、それぞれの分野で活躍しています。それらの卒業生と在校生が協力して、在校生の夢を大きく育む活動も企画しています。

節目を迎える年、新たな時代に向かって、茗溪学園は誇りを持って教育のあるべき道を進み続けます。

 

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